英国オンライン大学院のメリット・デメリット

筆者は2019年にマンチェスター大学公衆衛生学修士課程に入学し、2年後にMPHを取得しました。

当時、英国オンライン大学院を修了した日本人は少なく、全て手探りの日々でした。修了した今振り返ると、想像以上に良かったことと正直残念だったことがあります。

この記事では、英国オンライン大学院のメリットとデメリットを包み隠さずに紹介します。

マンチェスター大学MPHに応募を検討している方はこちらの記事をご覧ください。

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メリット

①仕事が続けられる

海外留学をする場合、退職もしくは休職するのが一般的です。英国オンライン大学院の場合、2年以上のパートタイムを選択すると、基本的に仕事を辞める必要がありません。オンライン大学院に通っている知人たちは全員フルタイムで働きながら勉強していました。

仕事を続けることは、留学資金の心配が減るだけでなく、貯金がなくても入学できる、職歴を積める、修了後の仕事探しに困らないといった様々な利点があります。

急激な円安の影響で留学資金を準備することが難しい昨今、オンライン留学を検討するのもよいのではないでしょうか。

②自由度が高い

マンチェスター大学MPHの場合、スクーリングの必要がなく、100%オンラインで修了出来ます。また、ほぼ全ての授業において、ビデオ通話や決められた時間に講義を受けるといった必要もありません。(筆者の場合、全くありませんでした)

つまり、決められた期間内に用意されているオンライン教材を使って自習し、テストと修士論文さえ合格すれば学位が授与されます。そのため、仕事はもちろん、子育てや介護をしながらでも受講することが出来ます。

③研究スキルが身に付く

マンチェスター大学MPHでは疫学・統計学の授業があり、修士論文の作成には担当教員がついてくれます。そのため、基本的な研究の立案と実施は出来るようになります。

筆者は日本の大学院を出ていないため、単純に比較することは出来ませんが、日本の修士課程を修了した知人の研究内容にアドバイスさせてもらうことが多々あります。そのやりとりを考えると、修士レベルではそこそこ良いレベルに達しているのではないかと思っています。

④英語が上達する(ライティング・リーディング)

当然ですが、イギリスの大学院なので授業は全て英語です。大学院が始まる前は論文1本読むのでさえ時間がかかっていました。しかし、2年間勉強することで自分の関心のある分野の論文だとかなりスムーズに読めるようになりました。

またテストのほぼ全てがレポート作成で提出後に採点が入るので、アカデミック・ライティングの技術も格段に向上します。これらのスキルは今の仕事にも活きていると日々感じています。

デメリット

①クラスメイトや教員との関係が希薄

一番残念なところは、クラスメイトや教員との関係が深まらないことです。大学院での人脈はその後のキャリアにおいてそこで学ぶことや取得する学位と同じか、それ以上に価値があります。

しかし、オンライン大学院では、対面での交流はもちろん、オンラインですらもないため、私は2年間を通じて一人も友人や恩師と呼べる人が出来ませんでした。(Twitterを通じて知り合った日本人はいます)

将来、海外で働くという明確な目標がある人にはイギリスの修士号は強い武器になりますが、そうでない人や日本国内で教員や研究者になりたい人は、日本の大学院を選択した方が可能性は広がると筆者は考えています。

②自信がつきにくい

筆者は英国オンラインMPHを始める数年前に、カナダのアルバータ大学に短期留学したことがあります。そのプログラムは修了後にカナダの大学院に進学することを目的としており、アカデミック・ライティングやポスター作成、プレゼン発表について勉強しました。

たった4ヶ月でしたが、日本人がいないクラスで外国人のクラスメイトと仲良くなったり、最終試験で1番の成績を修めたりしたことが強烈な成功体験となっています。オンライン大学院は孤独な戦いで、これらの経験が得られないのが残念なポイントの一つです。

③一部の研究作法を学ばない

先ほど研究スキルが身に付くと書きましたが、身に付かないこともあります。修士論文の担当教員はいますが、日本のように大学院が始まる時から研究室に所属するといったシステムではありません。そのため、在学中や修了後にジャーナル投稿しようと思っても何から始めて良いのか分かりません。

筆者の場合、修士論文はシステマティックレビューを選んだため、職場で始めた研究の倫理審査の通し方も分かりませんでした。したがって、研究についてガッツリ学びたいという人は、日本の大学院に入学し、自分の学びたい教授の研究室に入った方が学べることが多いのではないかと思っています。

④身につかないスキルが多い

授業の中で英語の動画を見る機会はありますが、話す機会は全くありません。そのため、スピーキング、リスニングはほとんど上達しません。

また、他の学生とのディスカッションはの機会はありますが、全て掲示板上でのことです。そのため、仕事や実生活で役立つスピード感のある英語での議論は経験できません。そのため、英語をビジネスレベルで使えるようになりたいといった人もオンライン大学院はおすすめしません。

まとめ

このように英国オンライン大学院にはメリットもデメリットもあります。

筆者のように「職歴を積みながら修士号を取得したい人」「お金がないけど早急に修士号が必要な人」にはオンライン大学院はおすすめです。一方、そうでない人にはやはり海外留学をした方が得られるものは多いと思います。

また、キャリアを日本を中心に考える方にはやはり日本の大学院の方が人脈が広がるため良いと考えています。

「英国オンライン大学院、気になるけど心配」という方はロンドン大学衛生熱帯医学大学院が無料で提供しているGlobal Health and Disabilityを受講することをオススメします。ウェブサイトの構成や毎週の課題がとても似ているため、参考になります。

この記事があなたの今後の進路選択に役立てば嬉しいです。

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